目に確かな異常を感じながらも、姫川亜弓は「紅天女」の試演会場に立つ。もはや猶予のない身体で挑む舞台のなか、彼女は極限の集中の先に、これまで届かなかった何か──役の本質に触れる手応えを掴もうとする。一方、真澄との婚約が破綻し、心を深く病んでしまった鷹宮紫織。そんな彼女に対し、速水真澄が取った行動とは。愛憎と赦し、そして役者としての執念が複雑に絡み合い、紅天女という頂を巡る物語はいよいよ核心へと踏み込んでいく。感情の振れ幅が大きい、シリーズ屈指の緊迫巻。