火災で傷ついたオリョール号では、地球帰還に必要な酸素をすべてのクルーに行き渡らせることができない。生き延びる道はただ一つ、誰かが船外へ出て、宇宙空間を跳んで別の帰還船ソユーズへ乗り移ることだ。その決死の役目に名乗りを上げたのが六太と日々人の兄弟だった。命綱の先にあるのは、船と船のあいだに広がる漆黒の無重力。恐怖に体がすくむなか、兄弟はついに真空のなかへ身を投げ出す。少年の日に見た星空への約束が、いま最大の試練となって二人の前に立ちはだかる。